
「福島学カレッジ」に参加したきっかけは何ですか?

井上
高校の先生からの紹介がきっかけです。以前から震災後の福島に訪れてみたいと思っていたので、現地に実際に足を運べて、かつ東京大学大学院の准教授である開沼先生から直々にご指導いただけるという点に魅力を感じ、参加を決めました。


「福島学カレッジ」ではどんな研究をしましたか?

井上
東京圏と福島県の高校生を対象にアンケート調査を実施し、震災当時の記憶の薄い世代が震災・原発事故についてどのような認識を持っているのかを調査しました。結果として、約半数以上が「〇〇電力福島第一原発」の〇〇電力を「東北電力」や「福島電力」と誤答するなど、次世代への正しい知識や記憶の伝承に課題があることが分かりました。


研究していく中で、大変だったことは?

井上
一番大変だったのは分析です。集計データから意味を見出すためには、まずそのデータを整理しなければなりません。データの整理が終わった後、今度は統計ソフトを用いて分析を行いますが、そこでは最低限の統計学の知識が必要になります。一つの設問を分析するだけでも多くの労力を必要とするので、この過程が一番苦労しました。だからこそ、何か発見があるたび、何ものにも代えがたい喜びが得られました。一番大変で、一番面白いのが、この分析という作業だと思います。


「福島学カレッジ」の魅力をひと言で!その理由も教えてください。

井上
福島学カレッジの最大の魅力は、『新しい自分へと成長できること』だと思います。私自身、研究活動は初心者で、参加当初は何も分からない状態でした。しかし、大学生や大学の先生方から手厚いご指導を賜り、自分のやりたいことを形にでき、最終的には学会発表や、復興庁の副大臣・幹部との意見交換など、以前の自分からは想像もできないような体験をすることができました。短期間でこれほど濃密な経験を得られるのは福島学カレッジならではだと思います。必要なものはやる気と探究心だけです。皆さんもぜひ参加を検討してみてください。きっと新たな自分へと変われるはずです!
